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返ってくる


こんばんは。


「観察する」を大事に。


元特別支援学校教員、スタッフのはなです。





朝の会のお返事の時間。


「もうすぐ卒こまめ式だね。式でもいつもみたいに、みんなの名前呼ぶからね。」と伝えた。


すると、驚いた表情の後、「うん!」と言って顔が変わった。



「大丈夫だよ、任せて」というような、そんな決意を受け取った。


考えていること、思っていることは、本当に顔つきに出るんだなあ。





と、そんな勢い余ってか、まあるくなあれの後すぐに転んでしまったYくん。


近くに来たDくんをよく見ると、Yくんの水筒を持っている。



それでもすぐには渡さない。


Yくんの落ち着くタイミングを図っているのだ。


Yくんを心から心配して、Yくんの気持ちを汲み取っているからできることなんだよね。








Kくんが、薮から長い笹を見つけてきた。


それに目を輝かせたSくんが言った。


「これ、どこでとったの?」



当たり前のように聞いていたけれど、そういえば、何も言わずに奪ってしまう時期もあったなあとしみじみと思う。




Sくんも無事にゲットした笹で踏切ごっこをして遊んでいると・・・





Hくんも欲しくなったのだ。何も言葉が出ずに奪っていこうとしている。


Hくんは後ろを振り向かずに、「ガタンゴトン」と自分の中では電車遊びが始まっているようだ。



後ろで泣いているSくんに、Hくんは気づいているはずだ。


でも、Sくんは決して諦めなかった。


こちらに助けを求めようともしていたが、最後まで手を離さず、取り返したのだ。


これも、Sくんにとっての大きな進歩だった。





そんな光景を、みんなが見ていた。




そして集まった。



みんなが見ているんだ。


さて、ここからは警察が黙っていないぞ。笑


見ていたみんなが「バンバン!」とHくんを狙い、追いかける。


もちろん、遊び半分。こういうことを遊びに変えてしまうのが、この子たちのすごいこと。



最初こそケラケラ笑っていたHくんも、次第に顔が曇り


「やめてよぉ〜」と言っている。


「やめて」とさっきHくんが言われた言葉だ。


相手が嫌だと思うことをしたら、必ず返ってくる。


難しいことかもしれないが、これは繰り返して伝えれば伝わると信じて、


Hくんにも話をした。





それからしばらくして、焚き火のところで


Hくんが「かして〜」というのが聞こえた。


Wちゃんも「いいよ〜」と、トングを差し出す。





そしたら、Hくんは「ありがとう!」と言った。


とても自然な会話だった。




そしてとても穏やかな表情。


優しさも、返ってくるね。


と、そんな話もできた。


短時間で、2つの「返ってくる」を経験したHくんにとって、今日は学びの一日だったに違いない。




したことが返ってくる、ということだけではなくて、


本気で伝えれば伝わる、ということも日々学んでいるのが私たち。



Aちゃんがお店やさんをやっていると、Sくんがやってきて一つ、二つと売り物を落としていくということがあった。



Aちゃんは泣きそうになりながらも、


「やめて!」と何度も伝えた。


近くに大人がいても、すがることなく伝えた。


そして、Sくんがやめていっても「やめて!」と最後の一押しをしたAちゃんは、もう以前のように泣いて終わらせなんかしなかった。




崩された後も自分で立て直し、「いらっしゃいませ〜」とお店を再開したAちゃん。



そして、しばらくしたらSくんがまた来た。が、今度のSくんは違った。


「これくださーい!」「おいしかったでーす!」とAちゃんと会話をしていたのだ。



Aちゃんも、Sくんも、両者の成長を感じた瞬間。


本気で伝えれば、届くのだ。


子どもたちがいつも教えてくれること。





いやあ、こまめって深いなあ。


人生の勉強になるなあ。



今日も素敵な時間をありがとう。










 
 

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