「観察する」を大事に。
元特別支援学校教員、スタッフのはなです。
「ふう〜っ」
息よりも、声が漏れてしまうのが可愛い。

蚊取り線香に火をつけていると、Dくんが真っ先にやってくる。
それをまねして、Tくんも「ふーっ」と。
最近、Dくんの名前を覚えてたくさん呼ぶようになったTくんは、
Dくんに興味津々。
Dくんが、朝の会で名前が呼ばれるのをキメ顔(ウインク)をして待っていると・・・

Tくんも。笑
両方半目だけれど,本人からしたらそっくりまねしているつもりなのだろう。
たまたまかと思ったら、しっかりDくんの方を振り返って何度か顔を確認しているではないか。

この吸収力、恐るべし!
朝から大笑いさせてもらった。
Cちゃんは、朝から自分でやる気満々!
やる前からできないと泣くこともあったくらいだったのに、
今日は顔が違う。

グッと泣くのを堪えて、やってみたらできちゃった!
ザックだって、自分で立てて、背負えちゃった!

朝からすごいすごい。
Kくんも集中だ。
寝転んでいるわけではない。体の小さな子どもたちはみんな地べたに座って背負うのだ。
これだけで一苦労。

Nちゃんも自分で背負ってこのドヤ顔。笑

やる気は連鎖していくのだねえ。
意気揚々と出発すると、
Yくんが「見てーみんなで歩いてるよー!」と言った。それもなんだか楽しそうに。

大好きなダンゴムシや泥など、気になるものに惹かれてのんびり出発していたYくんは、よく1人で歩いていた道。
みんなと一緒の楽しさも、感じることができるようになったんだねえ。
さあやってきた最後の難所の階段。

通る度に、少しずつ自分の足で進める距離が増えているRちゃん。
なので今日は少し離れて見ていた。
お尻をついて、ずりずり、また立ち上がって進む。
これを何度もやらないといけないと考えると、本当に大変だろう。

そこに、早々とザックを置いて準備を終えたT Iくんが戻ってきた。
そして、「じゃあK、行こうか。」と遅れていたKくんを気にかけてくれた。

でも、何かを考えている様子。
すると、「K、ちょっと行ってて。」と言い残して、TIくんはさらに戻る。

先にいたのはRちゃん。
「カバン、もっていこうか?」と声をかけ、あっという間にRちゃんのザックを持って、
降りて行った。


この背中が大きく輝いていた。
座り込んでいたRちゃんに、「持って行ってもらったら、行けそう?」と聞くと、しっかりと「うん。」との返事が。
そして、1歩ずつ自分の足で歩き始めたのだった。

毎回誰かにザックを持ってもらっていたら、1人でできるようにならないのではないか。
助けてもらってばかりだと、一向にひとりでやろうとしないのではないか。
こんなことをこまめに来たばかりの頃少し思ったことがあったが、
そんなことはないと、今は自信をもって言える。
実際に、助けてもらってばかりだった子が、次々とやる気を見せて逆の立場になっていく姿をたくさん見たから。
「困ったときに、助けてくれる仲間がいるんだ」ということを知ることで、
安心できる場所に変わっていく。
そして、自分でチャレンジしようという気持ちが芽生えてくるのかもしれない。


密に関わり、仲間のことを知っていくことで
自分を出せる場所に変わっていく。

場所、人、ものとの対話が視野を広げていく鍵となる。
知ることは、安心につながっていく。
安心は、やる気のもとになっていく。
今日も素敵な時間をありがとう。