育ち合う
- 菜緒 小沢
- 6月2日
- 読了時間: 4分
こんにちは
スタッフのドドリです。
活動が始まると蝶々を追いかけるこまめ達。

「蝶々行かないで!」
「待って~」
そんな言葉が響く。
なんて微笑ましいのでしょう。
蝶々を追いかける集団の中にはH君の姿があった。

H君はママから離れて悲しみから切り替えるのが少し苦手だ。
しかし今日はこんなにも早く切り替えることができた。
一人で集中することも多いが、みんなの中にいてとても楽しそうにしている。
H君の新しい一面を見ることができた気がする。
一人で黙々と遊びだすと、大人顔負けの集中力を見せるH君。

築山でシャベルを使って遊ぶ。
少しだけ休憩・・・
シャベルを置いて席を立つ。
そこへH君が使っていたとは知らないF君がシャベルを拾うと
「H君の!」
と言ってH君がF君を突き飛ばした。
大きな声で泣きだF君。

(まずいことをしたぞ・・・。)
気まずい表情でH君はその場を後にする。
しかし少し離れたところで泣いているF君をじっといているのだ。
そして少しずつF君にまた近づきF君の近くをゆっくり1周回る。
F君もH君の姿をじっと見つめる。

スタッフも「何が起きるんだ!?」
と見守り続けるが
H君はF君の近くを離れていく。
・・・何もなかった!!!
しかしH君の表情からはF君に申し訳ない気持ち
心配する気持ちがこもっていた。
F君もその気持ちを受け止めているのか涙はもう止まっていた。
その後、違う場所で遊んでいるとH君が転んだ。
なかなか立ち上がらない。
F君がすかさず近くに行き見守る。

H君は泣かずに自分の足で立ち上がった。
F君はその姿を確認するとすぐにそこから立ち去った。

たったそれだけのシーンかもしれないが
以前までは転んで泣いていたH君
痛いのを我慢して立ち上がったH君も流石だが
助けが必要なのかどうかを見極めて
「大丈夫」とわかったら立ち去るF君も流石だ。
この二人の不思議な関係にはドラマがある。
今後も二人の間でどんなドラマがあるのか期待だ。
実は今日はこまめデビューをした新人さんがいる。
初日とは思えぬ堂々とした姿!1歳11か月のNちゃん!

ママと離れる際も
「14時にお迎えくるからね」
と言われると
「うん」
と言って理解を示す。

そしてそこから寂しくて泣くようなことはなかった。
ゆっくりだが行動範囲も広く、こまめベースを隅から隅まで歩く。
築山だって登れちゃう!

とは言えやっぱり初日
帰りのあいさつ
さよならあんころもちをする際
初めてでよくわからなかったことと、疲れもあったのか
片手はスタッフと手をつなぐがどうしてももう片方は誰ともつながない。
まるくなってあいさつをすることができない・・・
スタッフがあきらめかけたその時だった。
S君がNちゃんの隣にスッと移動する。
そして何も言わず手を差し伸べたのだ。
S君は普段泣いている子や困っている子がいるとじっと見守る優しさがある。
しかしここまで積極的に関わりにいくことは初めてだった。
NちゃんがS君の手を握らないと
今度ははなちゃんの手をつかみNちゃんの手まで持って行く。

はなちゃんとなら手つないでくれる?
と言わんばかりの表情。
それでもNちゃんが手をつながないと
Nちゃんの隣に座ってNちゃんが手をつなぐ気になるまで待つ。

S君の優しくも頼りがいのある姿に感動した。
思えば朝からS君はこれまでとは一味違った。
誰よりも早く朝の会では席につき
着替えの際は誰よりも早くシートを出して着替えを始める。

片付けの際も自主的に行い
1人ではできないと思った時だけスタッフに助けを求める。
まるで後輩たちに
「俺の背中を見て育てよ!」
と言った感じ。
かっこいいお兄さんの姿を見せることで
後輩こまめたちに伝えたいことがあるんだ!
言葉だけではない伝え方がある。
S君の行動から、表情から
思いが伝わってくる。
そしてS君の成長がこまめのみんなを成長させている。
S君だけじゃない。
こまめ一人ひとりの成長がこまめ全体に影響をあたえている。
そんな関係性を築けている子どもたちに感動させられっぱなしだ。
明日はどんな姿を見せてくれるのだろう。
明日はどんなこまめになっているのだろう。
日々の子どもたちの変化から目が離せません。

Comments