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本気

こんばんは。


子どもたちの 「自分でやろうとする意欲・力」を


引き出すサポートをする


元小学校教員の ずんずんです🌱。

何が起こってるか。


母を探しに


ふと衝動的に 活動エリアから出て行こうとするHくんを


Kくんが 行かせまいと


取り押さえている、


の図である。

壮絶だった。


本気と 本気の ぶつかり合いだった。


それまで おだやかに遊んでいた子どもたち。

最年長4歳のKくんは


するするっと 木に登り


眼下に見える2歳を見下ろし(笑)


きんかんを とってあげたり 自分が嗜んだりしていた。


そんな姿にあこがれを抱く2歳たちも

我も!我も!


と 木にむらがる。


見ていると できる気がするよね。


やってみたい!という意欲も いいなぁ。


そんなのんびりタイムの途中に


それは 起きた。


Hくんが ふと母を思い出し


駐車場の方へ 歩いて行ってしまった。


こちらの方も ちらちらと見ながらだったけど


橋を越えてしまった。


そこからは 道路だ。


たまにしか 車は通らないが


こまめでは そこから先へは出て行けないルート。


少しずつ 近づいて様子を見ようと動いた。


そのとき ぱっと走り出した


HKくんの 姿があった。

はなちゃんが 聞くに


「Hちゃん 行ってくる!」と 駆けだしたそうだ。

そっと 見ていると


Kくんが 必死に


Hくんの 行く手をふさいだり


力づくで 止めたりしていた。


そのうち 「はなちゃーーん!はなちゃん来て!!」


と Kくんの 泣き叫ぶ声が聞こえた。


はなちゃんは 「Kならできるよ。」という


まなざしと ジェスチャーを送ったそうだ。


わたしも 同じ気持ちで


その行方を見守っていた。


でも いつもそんな泣き方をしないKくんに


周りの子たちも なにか異変を感じて


Kくんのもとへ 走って行った。

かごを 持ったままの Yちゃん。


遊びの途中で 慌てて来た様子がわかる。


それくらい なかまが心配だったんだ。

でも 本気過ぎて


周りが 見えなくなり始めて


橋げたに 近寄るときもあったので


そこだけ 注意して見ようと 現場に近づいた。

「ずんずん!!ねぇ 助けてよ!!助けて!!」


見守るだけにしようと思っていたが


その必死の想いに 心動かされ


「ずんずんは どうしたらいいの?Kは 何してほしいの?」


と問うと


「ひとりで行くのはだめなんだよ!

 ひとりになっちゃだめなんだよ!!」


「重いから運ぶの手伝って!!」


と Hくんを本気で想う気持ちが伝わってきた。


「わかったよ。」


と わたしも 涙声になって答えた。


その間も Aちゃんが


Hくんの 脱げた靴を履かせようとしたり

帽子を拾ってあげたり(左端のYちゃん)。

やっとこさ 橋から 活動エリアへ戻って行ったとき


Kくんは ぐったりしていた。

ずっと Kくんが気にかかっていたHKくんは


「ちょっと お水飲もっか。」


と誘ってくれた。


Kくん以外 みんな2歳。


こんな光景 あるだろうか。


大きいも小さいも 関係なく


自分に 何ができるか、


を考えて行動する人たち。


もはや 「幼児」と呼ぶには


失礼な気もしてくる。


子どもたちには 考えがある。


ただ身体が小さいだけで


わたしたちと なんら変わらないのだ、と 改めて思う。

お水を飲んだところで


はなちゃんが Kくんの想いを引き出してくれていた。


すると


「ひとりで行っちゃうと

 おうちの人に会えなくなっちゃうから(止めたんだよ)。」


「Kくんは 家族4人が好きなんだよ。」と 答えたそうだ。


そこには


だいじな家族がいるんだから


きっとH自身が 困っちゃうよ、という気持ちが込められていたのだと思う、


とはなちゃんが 言っていた。


本当に そうだ。


そこまで 想像して 相手を想うなんて。


わたしたちは 相手の考える先の先まで


考えているんだろうか、


と ふと立ち止まってしまった。


けっこう 無責任なんじゃないか。


子どもたちのことばや行動から


自分を見直す場面が


たくさん出てくる。


その後の活動の中で

Kくんが 橋渡りをしていると


それを見て 後ろにぴたっと寄り添い


背中にしがみつく Hくん。


そうされても嫌がることなく


前へ前へ 進んでいったKくん。


Hくんは 脚が 地面から離れてしまうところで


怖くて その先へは進めなかったが

そこまでを 何度も何度も繰り返していた。

目の前にある


背中を見ながら ずっと。

本気で ぶつかり合うから


腹の底から 出し合うから


あと腐れない 関係が築ける。


むしろ もっと深いきずなが生まれるのかもしれないなぁ。


 
 
 

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