眼差し
- はな
- 7月2日
- 読了時間: 3分
こんばんは。
スタッフのはなです。

泥の滑り台ではしゃぐAちゃんは、今日の遊びのつなぎ手だ。
「よーいどん!」と声をかけてみんなを走らせたり、見ている子に「おいでよ」と誘ったり。

いつも年上のMちゃんがしてくれることを、自分の中に取り込んで、今日は自分がその役を担っている。
アウトプットアウトプット。

みんな黒い服を着ていたのかと思うほどの、泥汚れ。

遊びの中盤に差し掛かると、髭が生える集団だ。
泥汚れから野球のユニフォームを思い浮かべるけれど、
子どもたちの遊びも立派なスポーツだよな、とふと思った。
心の底から湧き上がる意欲、熱中して体を動かす姿、上手くいかずに悔しさが溢れる場面、考えて、思い通りにできた時・・・
遊びからたくさんのことを吸収している子どもたちの成長スピードには、驚くばかりだ。

朝の会の最中、ぶ〜んと蜂の羽音が聞こえると、1歳のKくんがさっと頭を手で守り、低い姿勢に。
それを見て続々と下がる頭。
日々の練習が実った!
練習のための練習ではなくて、きちんと生きる力になっていたのだなあと驚き、感動✨

1歳同士のKくんとSくんは、なんとなく同じ場所で遊んでいる。
別々のことをしているのだが、どこか意識しているのだろうか。

「これ読ませて!」
「これはだめ。代わりにこれ読んでなよ。」
と言っているかのようなやりとりが、無言の中で成立していることも。笑
言葉を超えた通じ合いなんだねえ♡

カマキリの子どもを見せると、興味津々に見つめる子どもたち。

そんな興味から、つぶそうとしたKくんに対して、
2歳のHくんが「ぱんしたらだめだよ」と根気強く伝える姿があった。
一度で伝わっていないと感じると「かわいそうだよ」「痛いからダメだよ」
と言葉を変えながら、伝え続けるHくん。

そこでようやく伝わった証拠に泣いてしまったKくんのもとに、自然とみんなが集まった。
Hくんは、少し困った表情をした後で出かけたかと思うと、
「ごめんね」と言いながら、Kくんにお詫びの花をプレゼント。
Sくんも駆け寄ってきてくれた。

こちらから見れば、Hくんは悪くないのだが、
Hくんは今相手が泣いているという事実を受け止めて、行動している。
相手の心に寄り添っている。

また別の時、Kくんが尻餅をついて泣いてしまった場面・・・
Hくんはここでも、懸命に話しかけながらKくんを助けようとしていた。
彼の行動が、まわりの子どもたちの気持ちを動かしたのか、続々と仲間が集まってくる。

ここでお気づきだろうか、同級生のSくんが近くにいることに。
我関せずなところもまだ多いSくん。
そりゃ当然だ、まだ自分の世界で精一杯。自分が泣く方なのだ。
でも今日は何だか違う。
何か行動を起こすわけではないけれど、眼差しは確実にKくんを気にかけて、心は確かにそこにある。

Hくんがやっていることもじーっと見つめている。
泣いているKくんに関わるHくんを見て、学んでいるんだ。
その証拠に、Hくんがその場を離れると、Sくんも一緒に離れたのだ。
思えばHくんも1年前はたくさん泣いていて、手伝ってもらっていた。
1年かけてつながる、思いやりの輪。
こうして広まっていくんだね。

少人数だったからこそ、ひとりひとりの動きや気持ちが、くっきりと見えた今日のこまめ。
バラバラなようで、気がつけばみんなが集まっている。
誰かが泣けば、誰かが寄り添い、誰かが見つめ、誰かがつなぐ。
真っ直ぐに相手を見つめる眼差しが、輝いていたね✨








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