ドラマの世界
- はな
- 7月17日
- 読了時間: 3分
こんばんは。
スタッフのはなです。
今日の朝の会の後の物語をひとつ。

輪ができたとき、Hくんはまだ少し離れた場所にいた。
他のみんなは勢いで輪になって、とんとん拍子で「まぁるくなーれー♪」と始まってしまった。

ここで、Hくんは自分から走って輪へ向かった。
Hくんの自発的な動きに驚いた。
彼は、こまめをやりたいんだ。
でも結局、賑わっていた輪に完全には入れずに終わってしまった。
これではこまめは始められない、、、
でも、途中で気づいた仲間がいた。
EHくんやYちゃんだ。

「まだはじめられないよ」
終わってからそう言ったMちゃんは、
「Hくんのそばでやろう!」と提案し、みんなに伝えに走った。
一度散りかけた仲間たちが再び集まるのに時間はかからなかった。

Mちゃんの声にEHくんが応じ、そのEHくんを見て、仲間たちが再集合。
「狭いからテーブルを動かそう!」と、移動まで始まった。

当人まで運んでいるではないか。笑

丸太をどけて、広くしてくれる仲間もいた。
連携プレーだ。
ここで、テーブルを動かしたことに大満足して歓喜するこまめたち。

いやいや、目的はなんだったっけ?
そこはスタッフが助けに入ったが、介入はそこだけ。

軌道修正すると、またあっという間に輪ができて、Hくんも自ら中へと入ったのだ。
その姿を、みんなが待っていた。
最後、Hくんがまた外に出ようとして周りが心配する中、Mちゃんが言った。
「大丈夫だよ、手繋ごうこしたんだよ」

その言葉通り、Hくんは両手を仲間としっかり繋いで、その後嬉しそうにジャンプしていたではないか。

あいさつが終わったら、全員が水筒を出しに向かって行った。
1度目にあいさつを終えたときには、誰も行かなかったのだ。
みんなHくんを入れてやり直そうとしてくれていたのだなと気づいた瞬間だった。
わかってくれる仲間がいて、
自分の気持ちを受け取ってくれる人がいるとき、
子どもは自分の力を信じて前に進めるんだね。
そんなスタートを切った今日のHくんは違った。

仲間を追いかけて走る姿、

何度も滑り台を滑る姿、

遠くまで道具を取りに行って遊ぶ姿。
これまでなら泣いていた場面でも

「かし(て)かし(て)」と伝え、
ダメと言われてもすぐに切り替えて次の遊びへ。
確実に仲間との距離が縮まっていた。
少しずつ、視野が広がってきていた。
一歩進んだHくんを見た。
分かってくれる人がいる。
動こうとする自分がいる。
そんなとき、すごいドラマが生まれる。

ケンカもして、
怒って泣いて、
助け合って、

こまめの子どもたちは、今日もまた一歩進んでいく。
それぞれのタイミングで。それぞれのペースで。
ドラマの世界が広がるこまめの毎日は、やっぱり面白い!

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