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みんな大好き

こんばんは。


子どもたちの 「自分でやろうとする意欲・力」を

引き出すサポートをする

元小学校教員の ずんずんです。

顔をひた隠しにして


今を 直面しようとしないHくん。


ずっと気にかけている Sくん。

が いざ朝のあいさつをして

始めようというときに

Sくんは 言った。


「Mちゃん、いっしょにあそぼ!RとKも4人であそぼ!」


ちょ、待てよ。

今日の参加者は 5人。


Hくん抜きじゃないか。


そこで聞いてみた。


「どうして4人なの?」

「だって 4人がいいから。」


「どうして4人がいいの?」

「4人が楽しいから。」


「Hくんは入ってないけど どうして?」

「いっしょに遊びたくないなって気持ち。」


「どうして遊びたくない気持ちなの?」

「そういう気分だから。」


「どういう気分?もっとよく知りたいなぁ。」

「だって 泣いてるんだもん、うるさいし。」


ほうほう そこですな。


何度が発問を繰り返して

やっとでた 本音。


「~したくない」「やだ」とかの

ネガティブな表現は

子ども心にも

言ってはいけないこと、

として インプットされてるのだろうか。

いきなりそれを言うことがない気がする。


はたまた もうすぐ5歳になるSくんの思考が

相手を前にして

なるたけ核心部分を言わないように気遣っているのか。


でも その理由はわかる。


泣いている相手に

明るく「いっしょにあそぼ!」って

言うだろうか。

想像してみたら

あたしも言わないな、たぶん。


「そっか、Sの気持ちはわかったよ。」

そんなHくんのもとへ

まだ2歳にもならない Kくんが寄り添う。

なにか感じているのかな。

そんな中で始まった こまめ。

意外にも Hくんの涙はすっと消え

おままごとセットのある方へ 駆け出して行った。


途中で見つけた たけのこ。

「これ!これ!」と 指さす。

前回 いっしょに掘ったのを覚えているんだなぁ。


今まで家庭のにおいのするザックの中に

安心を求めて

身を潜めていたが(どこにいるかわかりますか?笑)

そこから脱出するには

そう時間がかからなかった。

おままごとのセットを出そうとしたとき

Sくんが さっとHくんが使おうとしていたものを

横からとった。


Hくんは怒った。

Sくんの頭を ぽこん!

不意打ちに

思わず笑っちゃうSくん。


2つも年下だと

寛大なこころになるんだねぇ。

「ちっちゃい子のやることだから。」

みたいな顔😊。

その後も

友だちをかかわりをもちながら

けんかもしながら

活動時間をめいっぱい動いていたHくん。

お片付けの時間になった。

つたないことばで

「おたたづて~。」と言いながら

片づける。

Sくんは 「ここを持って!」

と言いながら

ボックスの4辺のひとつをHくんに託す。


その手の表情たるや。

みんなの心がそろわないと

できないことだね。

置き場所に到着し

Rくんが最後にふたを閉めてくれた時に

それは起こった。


Hくんは 自分もふたを閉めたかった。

だから手をかけたが

もう閉めたから 開けちゃダメ

という意味で Rくんが強くHくんを押した。


やり返すHくん。

二人で やんややっていると

Sくんが 来た。

「ほら これやんな。」

Hくんのやりたいことを

すっと手助けしたかったんだろう。


Sくんって

そういう子だ。


まったく不思議じゃない光景。

そういう子だ。

振り返りのとき

Sくんは 言った。


「みんなのことが大好きです!」


「みんなって?」

に 今日のメンバー全員を答える。


「朝はHくんとは遊ばない。」って言ってたけど?

と尋ねると


「本当は大好きだよ。」

と言った。

その顔に嘘はなかった。


確かに 「そういう気分じゃない」と

朝は言っていた。


子どもが言ったことを

変わらない考えだと勘違いして

なかまはずれにしているみたいで

なんかやだ、

と思ってしまう。

嫌いという気持ちなのか、と

勝手に悶々する。


でも「そのとき」は嫌でも

「好き」がベースにあれば

そのかかわりは

変わらないんだなと思った。


みんななかよくしよう思想が

気持ち悪いな、

と思っていたのに

朝は そんな考えがよぎっていた自分を

恥ずかしく思う。


SくんのHくんへのまなざしを見れば

ベースの「好き」

をよく感じられた一日だった。


惑わされるな、自分!


そのときの子どもの様子を

しっかりみよう。




 
 
 

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