言いたいのは
- ずんずん

- 5月2日
- 読了時間: 3分
こんばんは。
子どもたちの 「自分でやろうとする意欲・力」を
引き出すサポートをする
元小学校教員の ずんずんです🌱。
ワ―――――!!!
ギャーーーー!!!
泣き声が 響き渡る。

あれま
とんでもない泣きようですな。

近くを通ると
こちらに 助けを求めるように
走ってくる Iくん。
でも なんとなく わかった。
その前も 同じパターンを見ていたから。
何かと言えば これ。

Iくんが 持っている枝。
これは 緑かっぱの Sくんが持っていたもの。
それを 使いたくて
持って行くIくん。
同じことを 繰り返す。
ということは Sくんが使っていたものだということも
知っている、ということ。
わかっちゃいるけど やめられない、
とは こういうことか。
友だちが使ってると
魅力的に見えるんだよね。
でも とられた方は たまらない。
いきなりとられるのは 頭に来る、しかも二度も!

もう頭に来た!許さない!
そんな感じの 勢いで
Iくんを追いかけ
倒し 枝を何が何でも とろうとする。
相手も抵抗して 力を出すから
すごい 取っ組み合いだ。
2歳同士の 本気のぶつかり合い。

それを見守る なかまたち。

この二人の中に
入っていくわけではないが
心配そうに そして
自分にも関わることとして 見ているような気がしてならない。
なかまたちが 争うことが
気が気でならない というような表情だ。
その二人
どうなったかというと
枝は争いのうちに どっかへ行ってしまい
二人の気持ちに 決着がつくまで続いた。
最後は Iくんが 泣きじゃくって
その場から離れることで 終わった。

Sくんは ずっと汚れたかっぱを見ていた。
「汚れちゃった。」
とあたしに 言った。
「洗いたい。」とも言った。
でも 言いたいのは それじゃないな、と思った。
「何が 起きたの?」
に対して 「棒をとられちゃった。」
と言い
「やだった。」と。
「いきなりとられて いやだったんだね。」
と言うと うんと うなずいた。
「Sが だめってたたいちゃった。」とも言っていた。
驚いた。
自分でしてしまったこと、しかも よくないことを
自分から 伝えてきたことに。
そこに 深く共感すると
またSくんは
「汚れちゃった。」
に戻った。
相手にうまく言えなくて
先に手が出てしまったことが
自分でもわかってる。
でも どうしょもなかった、
という 複雑な気持ちを
その汚れに ぶつけて
整理しようとしているのかなと思った。
Iくんも ただただ その枝がほしかった。
観る。
想像する。
話を聴く。
相手を前にして それらを
丁寧に 紐解いていくと
すっと 外れるときがある。
からんだ結び目は ほどかなきゃな。









コメント