終わらせてから次のこと
- はな
- 2024年11月5日
- 読了時間: 4分
こんばんは。
「観察する」を大事に。
元特別支援学校教員、スタッフのはなです。
二人で楽しそうに丸太を運んでいる。
遊びの時間かと思いきや、実は朝の会の途中、というより朝の会が始まろうとしていた時のこと。

二人が運ぼうとしていたのは、Hくんのいすだ。
なかなか輪の中に入れずにいたHくんは、絵本タイムが終わってもなか輪に入れずに泣いていた。

AちゃんはHくんの後ろ姿を見ながら、
「あのイスに座りたいのかなぁ?重たくて持ち上げられないんじゃない?」
と、Hくんの気持ちを想像して考え、実行しに走ったのだった。

そして、いすを運んであげた後も泣いていたHくんを見たAちゃんは、
「もしかしたら泣いているところを見せたくないんじゃない?」とも言っていたから驚いた。
Hくんの気持ちに心から寄り添っていなければ出ない言葉だ。
そんなAちゃんの行動を皮切りに、何人も席を立ってHくんの方へ向かっていったのだった。

さて、ここでも衝撃が走ったスタッフ一同。笑
ついこの間まで朝の会の時に「ママ〜」と泣いていたYくんが、席を立ってHくんの近くへ行ったのだ。(オレンジ帽子)
最初は、ただふらりと遊びにいくのかと思ってしまったが、Yくんの足は確実にHくんの近くへ向かっていった。
それも一度だけではない。
Hくんの近くへ行って、気にかけてはまた戻って、何度も何度も。

自分もそうだったから、気持ちが分かるんだね。
子どもの心に寄り添えるのは、子どもなんだなあ。
それでも、Hくんはまだ輪に入れないでいた。
気持ちは少しずつ落ち着いてきているようだったが、今更輪に入っていくタイミングが掴めない・・・そんな様子だった。
分かるよ、分かる。
ここで一旦みんなは休憩モード。
当然だ、15分以上もHくんに寄り添い、待ったのだ。
ずんずんはきっちり時間を確認していた。笑
第一ラウンド終了だ。笑
ここで私たちは声をかけに行ったらHくんはもしかしたら来れるかもしれない、でもここまで子どもたちは熱心に関わり続けたのだ。
邪魔をすることはできないし、Hくんには子どもたちの力が必要なのでは・・・。
私もどうしたらよいか迷っていた。
そんな時、ずんずんは「今やりかけたことがあったよね。最後までやり切ってから次のことだよね。」と話をしてくれた。
そう、みんなはHくんが朝の会の場所にきて、イスに座って欲しかったから行動していたのだ。
私もここは待つ覚悟が決まった。
ここでZくんの第二ラウンド開始だ。

網にしがみつくHくんの手を解こうとする。そして耳元で何か伝えていた。
「こっち座るだけでいいじゃん。」と言っていたそうだ。
椅子も運んだし、Zくんはずんずんの話も聴いて、「Hくんが椅子に座って欲しい」という目的を果たそうとし続けたんだ。
Zくんは一人でずっと関わり続けた。
いよいよ第三ラウンドが始まった。
この間、他の子たちはぼーっと待っているだけではなかった。
椅子に座っていながらも、目線はずっとHくんのことを気にしている。


「こまめやる?」と、Aちゃんが何度も尋ねた。
「うん。」と自分で答えたHくんは・・・

その直後、この表情。
ああ、みんなに任せてよかった・・・!そう思った瞬間だった。

9時に絵本を読み始めて、この時すでに10時過ぎ。
待っている子もいたし、時間がかかりすぎてしまったかな、と思っていたけれど、
不思議とどの子もスッキリした表情をしていたことに驚いた。
みんながやり切ったのだ。
遊び始めても、いつにも増してそれぞれが楽しんでいたように見えた。

最後までやり切ることがどれだけ大切か、今日の朝の出来事から改めて学んだなあ。

「一つ終わらせてから、次のこと」と子どもたちに伝えているが、
子どもたちは、ちゃんと全員でやり切った。
自分はそれができているか・・・?
子どもたちを見て、気付かされます。

今日も素敵な時間をありがとう。
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